シロちゃん

日が変わった頃、母から実家猫のシロが静かに息を引き取ったと連絡が入った。
享年18歳4ヵ月。老衰。

ある夏の日に父の後ろをひょこひょこ着いて来た日から家族の一員に。
この夏に19歳を迎えたばかりだった。

まだまだ小さく手のかかる乳のみ猫で、母を中心に家族皆で大事に育てた。
野良出身だった彼女はとても気が強く、足先や尻尾に触られる事を極端に嫌い、人に抱っこされたがらない猫だった。
短い野良生活の中で、きっとたくさん怖い経験をして来たんだろう。

喉をゴロゴロ鳴らすのが下手くそで、鼻水を飛ばしながらブヒブヒと喜びを表現する子だった。
そんな彼女も年老いてすっかり温厚になり、晩年は触るだけで嬉しそうにブヒブヒと歓迎してくれたもんだった。
ルルを連れて帰った時は毎回不穏な顔をしていたけれど、それでも姉さん猫として引っ掻いたり噛み付いたりせずおバカなルルさんを見守ってくれてたんだよな。自分がきんぞうにそうしてもらっていた様に。

昼間は普通にご飯を食べ、トイレに行っていたらしく、母も全く異変に気付かなかったらしい。
夜に父が部屋に上がるとシロの様子がおかしかったので母を呼んだそうだ。
母がシロの頭をなでなでしたら、いつもの様に嬉しそうな顔をして、眠る様に静かに静かに息を引き取ったのだとか。
父と母を待っていたかの様に見守られながら静かに。
そして、ちゃんと瞼を閉じてやる事が出来たそうだ。
それを聞いて、少し哀しみがほぐれた。

このブログにも良く登場していた愛猫きんぞうも19歳の時に老衰で亡くなった。
19歳の壁は厚いな。
きんぞうの最後は呼吸困難で亡くなったので、カッと目を見開いて手足に力が入ったまま逝ってしまい、瞼を閉じてやる事が出来なかった。
シロちゃんは最後に苦しまなくて良かったな。

大好きだった母の側で静かに旅立つ事が出来てほんと良かった。
最後のお別れして骨を拾いに行ってくる。

お疲れ様、シロ。
今までありがとう。
天国できんぞうを見つけるんだぞ。

最後に実家に帰った時に撮ったシロちゃん。(9月16日)
今年に入ってから食が細って来て、この夏持たないかもって思ってたらしい。
この頃には10キロオーバーでまんまる白大福だった体が、すっかり普通サイズになっていた。
この写真ではわからないけど、綺麗なオッドアイのお嬢さんだった。
9月16日の白ちゃん